歳をとるのは、そう簡単なことじゃない。つくづく最近そう思うようになった。
今でもまだ自分の老いと、上手く折り合いをつけられない。
それは枯れ具合が、婆さん度が、中途半端だからかもしれない。
逆戻りが不可能なら、とっとと前へ枯れ進めばラクかもしれない。
あと10年、いや、15年、20年、30年も経てば、
枯れに涸れて、身も心も正真正銘リアル婆さんになれる。
そうなれば折り合いもへったくれもない、しめたものだ。
……なんて思うわけないでしょ。今でも信じられないんですよ。この私が、この歳になってしまったなんて。
「歳をとるのは思いのほか、難しい」、なんて言ったって、ホント、思ったことないんですから。
けれどもそれも今や昔の話となりつつ? なってしまいましたわ。
私に限って、加齢で婆さんなんて、論外も論外、想定外、問答無用、あり得ない、だったはず、なのに。
確かに20代からいきなり、この歳になったわけではないので、多少なりともそれなりの知恵はついたと思いますよ。
バカはバカなりに、“亀の甲より年の功”っていうのかしら。
今どきの若者にこんなこと言うと、
「えっ? カメ? コウ? トシ? コウ? それどういう意味ですか」なんて訊かれるんですね。
全く、こっちが、「ええ?」ですわよ。
先日も、私よりはるかに年下の、今どき女子に、
「老婆心ながら言わせてもらえば──」とオバ心? で、お節介をすれば、
「ロウバシン……? どういう意味ですか」と、きましたよ。
だから、しっかり紙に書いて差し上げましたよ。
サインペンで、でっかく、ぶっとく、
「老婆心ろうばしん」と。
勿論、解説などしません、そんな老婆心は持ち合わせておりませんから。
すると、その若女子、紙に書かれた文字と、私の顔を交互にじっと見つめ、解ったような納得したような?????? 不思議な表情をしておりました。
で、心の中で(老婆? の 心? やだ、でも、確かに…)なんて思っていたんでしょうよ。
ああ、まったく、思い出したら、また、モヤモヤしてきましたよ。
??? あらら、すっかり話がそれてしまいましたわね。ごめんあそばせ。
「これだから、年寄りは」、なんて言われてしまいますわね。
「これだから年寄り」にだって青春時代はありましたのよ。で、当時は新人類だったのですわよ。「今どきの若い者は」それは私のことでしたのよ。
あれから幾星霜、言われる側から今では言う側にと立場はかわってしまいましたけれど、見かけは老いても、それでも心だけは、時々でいい、たまーにでいい、青春、老春、若者、馬鹿者でいたいものですわね。
ですから、「今どきの若い者は」……なんて年寄り臭い言葉は使いたくありませんわね。でも、気づかぬうちに使っている、それが加齢人、私のことですわね。
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