実は、ここだけの話ですけれどね、最近、化粧する時、苦労してますの。
どうしてか?
そりゃ、もう、目ですよ、この老眼。我が老眼ながら信じられません。
この老眼には何度裏切られたことか、情けないったらありゃしません。
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「老眼は老眼鏡をかけて一人前」
このことを忘れちゃいけません。特に、化粧するときは肝に銘じてください。
そうは言ってもですよ、何十年と見慣れた自分の顔ですもの、
化粧などは、……まぁ技術はともかくとして、歴史だけは誰にも負けやしません。
老眼鏡などかけて化粧なんかできない。わざわざ老眼鏡や拡大鏡のお世話にならなくても大丈夫よ。
塗って塗ってシミ消し、塗って描いて、10分20分30分40分50分60分……これだけやれば……どうだ! 我ながら大満足、完璧。
の、はずでした。
あぁ、それなのに、我が老眼を信じたばっかりに、泣くに泣けない笑えない、赤面と後悔が雨嵐。なんてことがホントあるんですのよ。
まっ、老眼者同士なら、まっ、どうでもいいでしょうよ。
相手の老顔など、はっきりくっきり見たくもありませんし、見られたくもありませんわね。それは、お互いの幸せのため、かえってそのほうがよろしいかもしれませんわね。
なんでも知ればいいってことではありませんものね。
それが大人の付き合いってことでもありますわよね。
でも相手がまだ若く、視力に問題がなければどうでしょうか?
自分では見えなかった、気がつきもしなかった、その老顔にほどこされた化粧が無残にも、アラやボロやホコロビが、より強烈に人目を引くこと、間違いない。でしょう。
ファンデーションの雑な塗りムラ。顔と首の色が違う、色が粉が脂が浮いてる、毛穴落ち、シワが際立つスジになっている、見るからに暑苦しい息苦しい厚塗り。
また、厚化粧を避けたいばかりに、クスミもシミも顔の色むらも、そのまんま。努力が報われない、化粧効果ゼロの薄塗りファンデ。
毛穴の黒ずみ、毛穴の開き、毛穴落ち、左右の眉の高さ、長短のズレ、眉尻のダブルライン、眉の白毛、etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.etc.
こういうもの全て一切合財が、白日のもとにさらけ出されるわけでございます。
なんという恥さらし、穴があったら入りたい。そんな経験はございませんか?
えっ、ない? そ、そ、それはそれは素晴らしい!
と言いたいところではございますが、「自分で気がついていない」「見えていない」
ただそれだけだと思います、はい。
はい? なんでも知ればいいってものじゃない? 知らぬが仏? 大きなお世話? スミマセン!
でも、それもこれも、全てはあなたのためなのですから!