起床するとすぐに洗濯、その間に簡単な朝食をとり化粧をし洗濯物を干して、またかよ、とは思いつつもボランティアへ急行。
強制的に始まったボランティア活動は正直言って面倒くさい。けれど現場に行ってみるとボランティアには関係ない面白い話を聞くこともできる。
活動に参加している人たちはほとんどが中高年女性で仕事を持っている人も多い。
今日はその中の一人、Kさんが息子に言われて大ショックを受けたという話を披露してくれた。
Kさんは60代後半、自営、体が動く限り仕事は続ける、忙しくしてるのが性に合っているというハキハキサバサバ、声も大きく元気な女性。
でもここ数年、鏡を見るたびに憂鬱になると言う。
それは老化による顔のタルミやシワやシミの類で、これらが改善? したらどれだけ気分が晴れるだろう、で、何とかしたい、と思っていたんだわね。
【スポンサーリンク】
彼女には離婚した息子が一人いて、この息子なら、きっとこの女心を分かってくれる。
母親思いの優しい息子だもの。
歳をとったとはいえ母も女である。見た目は気になるだろう、仕事をしていればなおさらのこと……きっとそう理解してくれる。
で、ある日、息子にさりげなく言ってみた。
「『顔』『若返り』『お直し』しようと思うのだけど」
するとこの母親思いの優しい息子、
「……その前に、その腹なんとかしろよ」
Kさんこれには大ショック。
返す言葉もなく、ただただ……うつむき? じーっと、自分の腹を見つめた?
笑っちゃ失礼だけど……確かに……息子の言う通りかも、と改めてKさんの立派な腹囲にみんなの視線が集まって?
しかしね、母親にそんなことを言う息子の腹はどうなんだ?
と言えば、この母にしてこの息子、息子も立派な腹の持ち主だわよ。
……でもある意味、うらやましいわね、腹じゃないわよ、息子にこんなこと相談? できるなんて。
【スポンサーリンク】