達者なのは結構ですが、おばさん、喋りすぎですよ

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電車の中で斜め前に座る、70代と思しき祖母とその孫らしき20前後の青年。

祖母といっても紺色のつばの広い帽子がとてもお似合いの、まだ若々しく上品でお元気そうな方でした。

孫は今どきのどこにでもいるような若者、ラフな格好でうつむきスマホを見つめております。その隣で休みなしに喋る祖母。

 

話の内容は分かりませんが、時折り「信じられないでしょ?」「それもできないのよ」「普通の人間だったら」そんな言葉が聞こえてきます。

 

誰のこと言っているのか分からないけれど、こんな話、孫は聞きたくないと思うわ。孫だけじゃないわよ、私も聞きたくないわ、って聞き耳立てていたけれど。

 

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また祖母は自信ありげに「将来、絶対、役に立つのに」と誰に言っているのかわからないけれど、これからの将来のこと絶対なんて言えますか? あなたの時代の将来とは違うのですよ。それまで生きているかどうかも分からないじゃないですか。

 

それでも孫は時たま顔を上げ「うん」だか「すん」だか応えていますが、祖母は孫の反応にも構うことなく弾丸トークは終着駅まで続いたのです。

お元気なのは結構ですが、興味ない話を延々と聞かされる孫の気持ちも少しは考えてくださいよ。

……でも、それも歳のせいよ。と、またまたアンタの声が。うーん、それもあるかもしれない、晩年の母親がそうだった、気をつけねば。

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