寒くなってくると温かいものが食べたくなる。なので休日は必ず煮物をつくるようになった。多目に作っておけば次の日も食べられるし、寒い夜、食卓に温かい食べ物があると気持ちまでほっこりする。
料理をするには「火」が必要だ。料理はしなくたって「火」を使うのが人間だ。
他の人間をとやかくいえる人間ではありませんが、料理をしなかった人間が、料理をしない人間をとやかくいう資格はありませんが、それにしても料理をしない、驚くほどしないという人が職場におりました。
その人の話によると、土曜日に「おでん」が無性に食べたくなって自分で作ることにした。材料を買いにいき、鍋をコンロに置き、点火。が、点かない、何度やっても点火しない。
ええっ? なんで? ガスコンロ、壊れた? 寿命? 取り替えないと駄目? ああ、ショック、またお金が出ていく。
……でも、その前に……どうすればいいの? ……ガス会社に電話? でも今日は土曜日、やっている? ダメで元々、で、とりあえず電話してみた。
すると、電話に出た人は状況を聞き、
「それは電池切れではないですか?」
それを聞いた同僚の反応は、
えっ、デンチ? 電池切れ? ええっ? どういうこと? 電池って……それってどこ見ればいいの? どこに入っているの?????
で、ガス会社の人に訊いたそうだ。
電池を交換をするにはコンロのどこを見ればいいのでしょうか?
親切に教えてもらったはいいが、今度は電池の買い置きがない。で、またまた電池を買いに走ったらしい。
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「慣れないことを(料理)するもんじゃないわ」、と同僚は言っておりましたが、それより驚き笑えたのは、ガスコンロの電池を交換した記憶がない。その家に住んで20年近く、電池を換えたことがない。
これには他の同僚も驚いたが、当人は、いたって冷静、
「だって、ほら、料理しないから」
これには一同……。
いくら料理嫌いの独り者でも程がある、いくら料理しない、使わないといっても、電池ってそんなにもつものなの? 経年劣化で事故につながるなんてことにはならないの? それとも昔の電池は今のそれより品質が良かった? 世の中には不思議なことが数多ある。
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