「出るのはため息と愚痴ばかりよ」わかるわかる

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秋の午後、ため息つく中年アンタと年寄りオババ

今日も全然寝足りない。だからか何だか知らないけれど朝起きた時から気分がどよ~んと沈みに沈んじゃって、一向に浮上する気配なし。

時間が経つにつれ、どよ~んが重さを増し増しどんどこ沈みに沈みどん底気分、底が抜けたらどうすんの?

こんな時は散歩だ。とはいっても雨が降り出しそうですよ。ということで折りたたみ傘を持ち外に出た。涼しい、というより肌寒いくらいだ。

しかーし、雨は降らない、雪も降らない、あなたはこない。天気も冴えなきゃ気分も冴えず*#&+?@%$:ぶつぶつとひとり言は続く。こんな日はコンビニに行って、おやつを買おう。

コンビニに着きました。店の前には商品を積んできた車が? 止まっている。すると店に商品を納め終えたらしき中年女性が出てきた。

その女性、その車のところへ戻ると、「はぁあああー」とそれはそれは大きな「ため息」をついた。

これにはオババ驚いた、だって、ちょっとー、そのため息、大きすぎじゃない。だから、オババの目は彼女にくぎ付け、で、思わず、ちょっと笑ってしまった、勿論マスクはしてたけどね。

で、その時、彼女とオババの目が合ってね、でも、照れるでもなく、言い訳するでもなく今度は「出るのはため息と愚痴ばかりよ」そう仰るじゃありませんか。

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オババちょっと、どういう顔していいものか困りました、「そうね、わかるわ、大変よね、生きるって」そう返したかったんだけど、言えませんでした。

その人は40代半ば、そんな感じか、結婚してるのかな? 子供もいるのかな? 大きな車を運転してコンビニに商品を届ける仕事、クルクルグルグル1日中動き通しだ。

それがやっと終わり、今度は、家に帰れば終わりなき家事が待っていて、お母さんをして? 妻をして? ……自分の時間なんて無いだろうね。

はぁ~、今日も1日ご苦労さん! お疲れ様でした! 想像しただけで、オババもため息、どっと疲れてしまいそう。

今、オババは時間がたっぷりある、全部、自分だけの時間だ、それなにの気分が冴えない、沈むなんて言っている。

それは時間を持て余しているから? 仕事に行っていた時は、気分が冴えないも沈むも、そんなこと考えてる暇もなかったような……うーん、思い出せない、脳が動かない。

で、思った。彼女に、今のオババのこの有り余る時間をほんのちょっとだけプレゼントできたらね、なんてね。

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