今度の休日には何を食べよう、何を作ろう……仕事に行っていた時はそうやって料理を考える、作るのが休日の愉しみだった。
ところが毎日が休日となって8ヶ月も経った今、それは愉しみでなくなった。それでも今のところ1日1回、夕飯作りだけは多少時間をかけている。
夕飯と言っても、ご飯は食べない、その代わり何品もおかずを作る、ツマミ、アテである。で、ゴックンすれば、ああ、幸せ、やはり、自分で作って良かったと思う。
「一人になったら(夫が亡くなったら)、料理なんかしなくなると思うわ」と言う人もいるけれど、オババの場合は全く、逆だ。
誰かのために毎日料理なんて、とてもじゃないが、ああ、考えただけで、ああ、あり得ない、自分が怖い、いつか爆発しそうで。
だからオババにとって毎日、料理をする人はエライ、エライ人となる。
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前回、ウッカリサンと食事した時に彼女が、
「今日は、これから息子たちが来るのだけど、夜は(食事)何にしよう、全然、思い浮かばないわ、ああ、もうイヤだ、ホントに料理なんかしたくないのよ」と言う。
それを聞いた心優しく機転の利くオババは、だったら、ここで持ち帰りの、お刺身盛り合わせでも頼んじゃえば、と言ったのです。
すると彼女の顔がパッと明るくなって、ニッコリ、「そうね」で、早速注文。「ああ、よかった、でも、お刺身だけでは……」だったら唐揚げもどうよ、で、唐揚げも注文。
「良かった、これであとはサラダと汁物でも用意すればいいわね、ああ、助かったわ」と彼女大喜び、で、オババは感謝されましてね、で、オババは言いました、
でも、偉いわ、イヤだって言ったって、毎日、料理作っているんだもの。
すると彼女、「しょうがないわね、(料理は)務めだと思ってやっている」と言うのです。
務めか……うーん、やっぱり、エライね。
で、(ダンナさんは)いつも「おいしい」とか言ってくれる?
「ううん、言わない。しょっぱいとか辛いとか、そう言う時だけ言うけどね」
(憎たらしいダンナだ)うーん、やっぱり、エライ!
しかし、たとえ、毎回、「おいしい、おいしい」と言って食べてくれる人であっても、それはそれで苦痛だ。
自分のためでも誰かのためでも、毎日、料理は難行苦行だ、駄目だ、無理だ、できないだ。と彼女の話を聞いて改めてそう思ったのでありました。
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