年寄りは重い腰を上げ今年最後の買い物、スーパーへ行く。
先ずは、冬の靴下を買おう、ところが……オオオオオー、なんてこと、老眼が一直線に向かった先、そこには、なななんとスーパーには場違いと思われるような服が。
その服が遠くから、私に買ってください、着てくださいと訴えるのでした。
シンプルな服ほど生地の良し悪し、カッティング、縫製それらが如実に物をいうものです。
なんで、そんな服がここにあるのか……私はその服に引き寄せられるように一直線に。
そしてお値段? 値下がりしてまして税込み、3,300円? えーっ、何それ?
ああ、それなのに……なぜに、アナタはそうステキなの?
で、ちょっと着てみましたら、これがまた似合うんだな、この超シンプルが。
で、この嘘みたいなお値段でしょ、勿論、生地はそれなりですよ、でも、ああ、それなのに、ですよ。
充分、充分、この年寄りには、これで充分。早速、お家に連れて帰りましたよ。
ラララ~ いつかお見せしたいものだわ、私がそれを着ているところを。
えっ? いつかとお化けは出たことない? えっ? 見たくない? そうかな?
で、これで気を良くした私はエネルギーもだいぶ使い果たしまして、後はどうでもよくなった感ありーの。
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それでもお正月用品を少し、そしていつも通りの買い物と、今夜は寿司、そして総菜少々、それでも一人で持てる量ではありません。
レジのオネエサンはとても親切、笑顔で重いかごを運んでくれます。
申し訳ないっす、ありがとうございます!
帰りはタクシーを呼ぶ。家に着くと運転手さんが買い物したもの全てを玄関先まで運んでくれる。
そして会社のカレンダーをくれると言う。
私は要らないと言う(だって、どうせダサイに決まってる、ゴミになるだけ、捨てる手間が増えるだけ)。
でも、くれると言う。しょうがない、これも浮世の義理、「ありがとう」と言って受け取る。
しかし、これが開けてびっくり。意外や意外、洒落てるじゃないの、何ていうの、ボタニカルアート? それふうの明るいカレンダーでね、なかなかいいじゃない。
早速、タクシー会社名の入ったところを切り落としましてね、使わせていただきますわ。
こうして服と気持ちが通じ合ったり、お店の人の笑顔と親切や、オヤジ運転手さんの武骨な笑顔と優しさにすっかり心がほころんだ一日でありました。
うーん、今日はよく眠れそうだ、昼寝もしてないしね。
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