「まあ、若いからキレイな手して」元気な婆ちゃんは90歳

にほんブログ村 シニア日記ブログ 60歳代へ

ー手も指も爪も、じーと観るー

病院の待合室は混んでいた。だったら外のベンチで待つことにしよう。

今日は気温も高く外の方が気持ちいい。ベンチには先客の婆ちゃんが1人、ちょっと会釈して横に座らせてもらう。

何気なく、意味もなく両手を顔の前にかざし、しみじみと眺めていた。

あーあ、手までこんなになっちゃって、歳をとったものだ。

すると横に座る婆ちゃんが、大きな声で、

「まあ、若いから、キレイな手して」

はあ~、この手がですか? 思わず、自分の手、引っ込めちゃいましたよ。

若いからって、この私が? この手が? 笑えます、ハハハで、てへへですよ。

で、婆ちゃんは言う。

「マスクしてるからわかんないかもしれないけど、ワタシなんか、もう顔だって、シワクチャよ」

………………えっ? はい? マジですか? 婆ちゃんのシワクチャはマスクでは隠れてないと思いますが。

この婆ちゃん、御年90歳だそうです。ここへはタクシーで来たけれど、杖も使わず付き添いもなく1人で。

スゴイです、で、明るい。声は大きく張りがあり、よく笑う、アハハハハハと豪快に。

【スポンサーリンク】

 

この婆ちゃん、20年前にここの紹介で両膝の手術をしたという。人工膝の耐久年数は20年と言われたけど、もう過ぎちゃったよ、アハハハハハ。

婆ちゃん大きな声で笑う、オババもつられてハハハハハ。

そして婆ちゃんは、52歳でバイクの免許を取り、82歳まで乗りまわしていた。

でも、さすがに危ないからと息子に言われ、今度は電動カートに。でも、それだとあまり遠くへは行けなくてつまらない、と言う

遠くまで行くと息子は心配のあまり怒りだすらしい。

遠いところは俺が連れて行くから、と息子は言うけど、

「買い物は1人で行きたい、1人で好きなように、ゆっくり見て回りたい」

そんなことをちょっと寂し気に、そして遠慮がちに言うのだった。

わかるわ、いくつになっても買い物は気が晴れるし、楽しいもの。

待っていられたりすると、落ち着いて買い物なんかできやしない、楽しさ半減だわよ。

これは男の人にはちょっと理解し難いかもしれないけど。

でも、ここまで来るには大変だったらしい。きついお姑さんで、ずいぶん辛い思いもしたらしい。

そんな婆ちゃんにはまだまだ長生きしてもらって、残りの人生を存分に楽しんでもらいたいものだ。

90歳で杖も使わず1人で病院通い、で、よく喋り、よく笑い、で、ちょっと可愛い。

すごいですね、自分が90歳? なれる? 生きてる? はぁ~、考えただけで……。

もし生きていても、あの元気、あの明るさ、あの笑い……正直、自信、ないです、はい。

【スポンサーリンク】