夕飯後、老姉と少し話をする。
老姉「えー、でも、それって、ついこの間よ」
老妹「ついこのあいだって、いつ？」
老姉「だからーーーーーーーーその時」
老妹「このあいだ？ だって、あれはもう１０年くらい前のことじゃない」
老姉「あぁ……そう……か」
１０年はついこのあいだ、そうして姉がリタイアしてもう２０年も経つのか。
速いですね、１０年なんて、あっという間、そして２０年だってそうです。
でもね、姉だって２０年前はこうじゃなかったんです、当たり前ですけど。
リタイアしたら、２ヶ月ほどイタリアに滞在したい。そのつもりだったんです。
でもリタイアして毎日が日曜日となると、「いつでも行ける」「いつか」は結局「いつまでも行けない」「いつか」なんてやって来ない。
そうして気が付けば１０年、２０年、あっという間と言っても２０年はさすがに大きいです、姉はすっかり変わってしまいました。
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でも、リタイアする前に２年続けて私と一緒に行きましたから、それで良しとするしかありません。
今だって行けないわけではありません。が、ひとりでは無理でしょ、ツアーも無理でしょ、嫌いでしょ、私と？ 今のこの脚の状態では、無理無理でしょ。
私だってそうです、２０年前はバリバリ元気の生意気盛り、この今の２０年後を、あーあ、わからなんだ、知らなんだ。
で、こうして老いて弱気になってつくづくしみじみ思うのは、明日は今日より老いている、この先は老いるばかり。
だから思い立ったが吉日、今だよ、今！
いつまでもあると思うな若さと健康、そしてゼニ。
ゼニも大事だが、健康あっての物種！ やりたいことは元気なうちに！
失って初めてわかる、その価値、有難さ！
そして体を甘やかし過ぎてはイカン、過ぎたるは、ということで、少しでも筋肉を落とさないために明日は、せめて散歩だ散歩だ、散歩に出よう！
料理も老姉のためというより、自分のボケ防止のためと考えよう！
いつも心に太陽を！ 心に若さと笑いを！ 掛け声だけでもエイエイオー！
こうして自分を鼓舞させて、はぁ～、歳をとるって大変ですね。
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