6月になってしまった。今月が終わると、1年の半分が終わったことになる。
もう、そんなに、と何だか焦ってしまう。でも、そんなことを毎年言っているのだった。
ああ、しかし、でも焦る、しかし、でも気持ちは焦れど、身体は動かず。
勿論、姉の身体も動かず、今日も、家から一歩も出ず。
そして台風のせいか、明日は1日中、雨らしい。
すると1年中、家にいる姉が言う。
「明日は1日中、家にいる日なのね」
それを言った姉、それを聞いた妹、ともに、ちょっと笑う。
以前、私の脚のことを知った隣の奥さんは、顔を合わせるたびに、
「何でも言って、私はヒマなんだから、お互い助け合いましょ」
「買い物に行くときは言ってくれれば、(車で)行くわよ。遠慮しないで、言ってよ、私はどうせヒマなんだから」
「ヒマなんだから」「ヒマなんだから」いつも、そう言ってくれていた。実際、車で、買い物に連れて行ってもらったこともある。
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また姉も一緒に車で買い物、ランチに連れだしてくれたこともあった。
私たち老姉妹の買い物が終わるまで待っていて、家に着いたら、今度は買った物を玄関先まで運んでくれ、それはそれは親切にしていただきました。
その節は、本当に助かりました、ありがとう、感謝しております。
でもね、隣の奥さん、今はもう、そんなヒマなどありません、私たちの世話を焼くヒマなど、とてもじゃないが作れそうにありません。
夫婦は共にアラ70、2人きりの穏やかな老後だったはず、それが、突然、変わってしまったようです。
奥さん、ヒマどころか、1日中動き回っているようです、勿論、御主人も。大丈夫でしょうか、元気とは言えアラ70、夫婦の身体が心配です。
ほんと、アラ70になっても、何が起こるかわかりません。
「まさか」は、いつなんどき、場所、人を選ばず、やって来て、今までの生活を奪ってしまう。
まさか私が、まさかあの人が、まさか、まさか……。
この先も、まだ、いくつの「まさか」が待ち受けているのでしょうか?
正直、怖い。
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