「上品な人」…それってワタクシのことかしら

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涼しいが嬉しい!

涼しい~、こうしちゃいられん。

行かなくちゃ、行かなくちゃ、散歩に行かなくちゃ。

というわけで昼寝から目覚めた年寄りは散歩に。

散歩とはいえ年寄りだからとはいえ、部屋着のままはいただけませんわよ。

ちょっとだけ着替えて大きな鏡の前で、はい、ポーズ。

しっかし、変わり映えしねーわ。仕方ねーわ。諦めも肝心だわ。

また東西南北どちらへ足を向けようが、変わり映えしねーの、ご近所景色。

でも、涼しい~、それに、こんなに歩ける……歩くことさえままならなかった2年前を思えば、もうそれだけで感謝感激雨あられ。

ああ、有難い、と感涙にむせびながら歩く年寄りでもあった。

すると、どこからか、

「どこ行くのー」

声の主はご近所さんではありませんか。

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お互い近寄って立ち話を始めたところ、ご近所さんの後方から歩いてきたオヤジが私を見て、いきなりデカい声で、

「おお、ずいぶん上品な人じゃねーか」

それって、ワタクシのことかしら?

でも、誰? この変なオッサンは? アンタの知り合い?

すると、ご近所さん、そのオヤジに向かって

「そうよ、私の友達は上品な人ばかりなのよ」

とか何とか言い返しておりましたが………

友達? ともだち? トモダチ? 

…………友達のともだちは、皆、トモダチ?

ありえんでしょ。

しかし、まぁ、今更ながら色々な人がおりますわな。

私もそのなかのひとりですがね。

変な人、変わってるよね、あの人。

私も、どこかで誰かにそう思われ、そう言われているかもしれません。

いいの、いいの、そんなこと。

そう言うアンタが変なの、変わっとるの、そういうことなの。

でも、ゲ品、それは言われたくありませんわね。

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