
着るものはある、結構、ある。
でもね、着たいものがない。
普段、近所ぶらつく服なら、あるものでいい。
でもね、脚が良くなってきたからね、ちょっと出かけたくなってね。それにはステキな服が欲しいわね。
で、今は冬のコートがね、欲しいのね。
コートなら何枚も持っているのよ。まだ着たこともないタグ付きもあるのよ。
でも、違うの。
もう、購入した当時の私とは何もかも違うの。
この年寄りはアラ古稀で、生まれ変わったの。
ほんとか?
うーん、どうなんでしょ。
でもね、年寄りだって年寄りだって、時代が年齢がトレンドが、年寄りなりにそれなりに、こだわりがね、あるわけよ。
はぁ~、あのね、お言葉ですが、年寄りのことなんて、誰も見ちゃいない、年寄りの服なんて誰が気にするのよ。
フン、やかましい。他人はどうでもよろし。そういう問題じゃないんです。
この年寄り自身が、ときめかないんです。出かけたくなくなるんです。気持ちが沈むんです。気持ちが沈むと体まで重くなって食欲もなくなるんです。
そうしてやがて加齢性鬱を発症し、そしてそして……。
ほんとか?
多分な。
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だが、ここで問題勃発。
好きが似合うとは限らない。
その通り。そこは潔く諦めよう。
でもね、問題は、もう一つあってね、お値段がね。それに今、そんなの買ったって、どこ着て行くのよ。着る機会がどれだけあるって言うのよ。
そうね、そうよね、分不相応よね、ということで諦める、しかない。
ウウッ、見るだけ、眺めるだけ、想像するだけ、グスッ。
アラ古稀の現実を直視しろ!
はい。ですがね、うーん。
今年もこんな感じで終わるのかな。
あっという間だよ、あっという間だった、あっという間でしょ。
いつまでこの元気が続くのか、洒落っ気を保っていられるのか、出歩けるのか、食べられるのか、今のうち、今のうちだよ。
動ける、食べられる、お洒落もね、できるうちが華だよ。
そうよね。とはいえ、うーん。
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