
一旦乗車したら終着駅までノンストップ。
悪夢の超特急「加齢号」出発ーーーーー。
ガタンゴトン、なんだ、全然速くないじゃん。と思ったのも束の間、キャー、何これ、速すぎて何が何だかわけがぁぁあああ、体がついていけない。
と思ったら、止まった……みたい……?
えっ、うそ、もう……終点?
遠い遠い遥か昔、母が私に言いました。
「結婚が必ずしも女の人の幸せとは思わないけど、でも子供はいいものよ。
まなちゃんも(この年寄りのことですわよ)子供は産んどいた方がいいわよ。
まなちゃんが育てられないなら、お母さんが育てて上げる」
はああああああああ
ま、母の気持ちも分からなくはないですが、私は母の性格をよーく知っておりましたから、
「ほんと? 良かったー。実は……お母さん……まなこのお腹の中にはね………」
幸か不幸かそんなことにはなりませんでしたがね。
月日は経ち、父は亡くなり母もすっかり老いて、苔むした娘の心配どころじゃない。
寂しい、子供がいたって誰も私のことなんか心配してくれない。
「寂しい寂しい。時々、深ーーーい、真っ暗な穴に落ちていくような気持ちになるの」
帰るたびに聞かされるわけですよ。
で、ある正月、私は毎年楽しみにしている正月旅行をキャンセルし母の元へ。長逗留はしたくなかったけれど母の気持ちを思えば……貴重な正月休み全部使った。
ああ、それなのにそれなのに。
後日、母は姉に、
「まなこが長くいたものだから疲れちゃったわ(グジグジ愚痴愚痴)」(このことは以前どこかに書いております)
「寂しい」という言葉にほだされた私が馬鹿でした。母の性格を忘れておりました。
でも、今なら、この歳なら、よーくわかる。
そりゃ疲れるでしょ。寂しいとはいえ気儘ひとり暮らしに慣れた老母。相変わらず勝手気ままなひとり暮らし生意気中年娘。
お互い、ああ、疲れた。もうコリゴリ。
そして母も亡くなり、またまた月日は流れ、いつの間にか、姉が、あの頃の母と同じような、そんな歳に。
当時、母に、
「足元、気を付けて、転ぶよ」
今、それを姉に言っているわけですよ。
姉に、老いた母の姿が重なって……。
ほんと、今さらですが、いつの間に? ですよ。
自分のことだって驚き桃の木山椒の木ですよ。
お正月
老妹「子やら孫やらがいて、今、ワイワイ帰って来てたらどうだろう?」
老姉「いい、いなくていい。いても来なくていい。考えるだけで疲れる。どこかで食事、そしてお年玉。それでいい」
老妹「お年玉か。大変だね、ジジババも。私はあげるより、もらう方がいいな」
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