「ああ! わたし達、不仕合せな年寄りの婆さんは、無邪気な赤ん坊にさへ好かれる歳がもう過ぎ去った。
小さな子供たちを可愛がらうと思っても、怖がらせてしまふばかりだ!」
───ボオドレール〈パリの憂鬱「老婆の絶望」〉より
ちょっと待った、おばあさん、それは早合点というものです!
『老嬢物語』高楼方子・たかどの ほうこ
お言葉ですが、たかどのさん、それは早合点ではありません。赤ちゃんをナメたらあかん、赤ちゃんは識別できる、キレイなオネーサンとそうでない人を。
赤ちゃんだって、やはりワカクてキレイなオネーサンが好き。これは実験により証明されたらしいですよ。
車がない、ということは、お隣さん夫婦は今日も(今日から)またどこかへ出かけたようです。何だかんだ言いながらも仲良し夫婦、結構なことです。
で、ダンナさんが洗濯物を干してるときに、いつも思うのですがね、そして余計なお世話でもあるのですがね、でも気になりましてね。
それは、洗濯するとき、ダンナさんのモノと奥さんの下着も一緒に洗う、のでしょうか?
そんなの当たり前? あっ、そう、なら別にいいのですが、すみません、つまらないこと訊きまして。
ふーん、そうなんだ、ふーん……。
私たち老姉妹は別々、アンタの物はアンタが、ワタシの物はワタシが、しっかり別々、触りも触らせもしない、洗濯はアンタッチャブルな領域であります。
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そして寝起きの、その姿、ひどいですね、お互いに。これも持ち出し禁止のアンタッチャブル案件?
慣れ親しんだ我が姿とはいえ、自分でも、つくづくしみじみそう思いますです。
自分でもガッカリ、美しくありませんね、見たくありませんね、他人にはとても見せられたものではありません。
そして見せられたくもありません、たとえ、きょうだいでも。
また、そんなことは言えません、たとえ、きょうだいでも。
察しておくれよ、その辺を、きょうだいなんだから。
きたない? 失礼ね、でも、そうね、それくらいの自覚があった方がいいのかもしれません。
救急車、来てくれて、助かった、とは思ったものの、でも、乗れないわ。
だって寝間着があまりにボロなんだもの。ボロがボロ着て、そんな姿、他人に見られるくらいなら#$&?*”!@
どなたかが、書いておりました。いつ救急車が来ても恥ずかしくないように、あえてパジャマは着ない、古いブラウスを着て寝てるとか何とか。
わかります、そのお気持ち。火事で地震で外に飛び出す、命あっての物種、着てるものなど構っちゃいられませんが、でも、ですが、です。
うーん、そんなことも考えてしまう、歳になっていた。
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