ピンク ── ピンクって、色だけでなく、言葉の響きがいい、破裂音の「ピ」がいいんだわね。で、ピンクといえば必ず思い出す人がいる。それはピンク大大大好きピンク夫人だ。
当時、私は50手前、ピンク夫人は50ちょっと過ぎ。色白のこの人にはピンクが似合う。けれど、ピンクといってもこの人が好きなピンクは「ショッキング・ピンク」。服に合わせて口紅もショッキング・ピンク、だからすごく目立つ。
色も衝撃的だがデザインも衝撃的、風変わり? なものを好む。だから昔から彼女の子供の通う学校では(近所でも?)この人の名前は知らなくても「ああ、あの派手な人」で通じる有名人であったらしい。
性格はショッキング・ピンクのように明るくカラッとしている。世間の評判なんか知ったこっちゃない、着たいものを着る、ピンクもそうだか鮮やかな色が好みらしく暗い色を着ているのは見たことがない。
それに反して夫はといえば、ジミー、色に例えれば「ネズミ色」。寡黙だが感じが悪いわけでなく、少ない言葉のなかにも人柄の良さがしのばれるような。
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でも、明るい奥さんは夫の愚痴をこぼす。「ウチは、もうずーと前から家庭内離婚だから」と言う。それを聞かされた方は一瞬……となるが、別に大喧嘩しているということではないらしい、単に夫婦の会話が極端に、ほとんど、全く? ない、らしい。
よく喋る妻と寡黙な夫。妻が喋れば喋るほど口をつぐむ夫、そんな反応の薄い亭主にイライラがつのる妻、多分、そんな感じではないでしょうか。
見た目も性格も真逆の、陽と陰、でも、それはそれでバランスがとれている、ともいえる。結婚するときは多分、お互いその自分にないものに惹かれたんじゃないの。と思われますが、どうでしょうか。
あの夫婦も今や60代。リタイアした無口で無趣味な夫は1日中家にいて、歳はとってもお喋り大好き外交的な妻は今日も家を空け、「家庭内離婚」は今も続いていると思われますが、ある意味、いい夫婦、似合いの夫婦と思えるのは私だけでしょうか。
“ ピンクを好む人は愛情、感情にかけてはこまやかで、よく気くばりし、それが長所となっている。パステル調のピンクを好む人は柔和で上品。濃いピンクを好む人は赤を好む人に近く、熱烈で強靭な人柄である ” 『色の秘密』から極極一部抜粋
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