初対面から、話が弾む人もいれば、古い知り合いでも、全く、話が弾まない、会話が苦痛、そんな人もいる。
余程でない限り、初対面の人、誰とでも、話ができる、抵抗がない方だと思う。
だからといって、人と会話しなくてもどうってことない。
何たってひとり暮らしが長いのだから、相手も会話もなくて当たり前。
ところが、今は、姉と同居で、毎晩、一緒に食事もするようになった。
やたら大きなテーブルに姉と妹、向かい合わずに座る。
お互いの顔は見ず、テレビを見る。テレビは姉が、朝から、つけっぱなしだ。
夕飯時の姉妹の話題はもっぱらテレビニュースやその他の番組頼りだ。
テレビがなければ、会話が成り立たない、と言えるかもしれない。
しーーーーーーん。
黙黙、モグモグ、聞こえるのは互いの咀嚼音、そして、時々、姉の誤嚥によるゲホゲホゴホゴホ。
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とはいえ、テレビは見てても、会話のない時がある。そんな時はちょっとばかし気まずい……。
だから、私はネットで面白い話を見つけると、夕飯時の話題にしよう、と思うのだった。
なんて優しい気遣いのできる妹であろうか。
今日も、そうしてネットで仕入れたネタを２つ、３つほど用意して、夕飯の支度のためキッチンに向かった。
今夜も、妹の作った変わり映えしない料理が並び、老姉妹は、お互いの顔を見ずに食卓に着く。
黙黙、モグモグ……。
そうだ、確か、ネットで仕入れたネタが。
が、しかし……思いだせない、なーんにも思いだせない、これが年寄りというものか。
ということで食事を終えると、早々にこの部屋に引き上げてきた。
きょうだいとはいえ、会話って、しようと思って、できるものじゃありません。
それも毎日、ほぼ２４時間、一緒ですよ、だったら、こんなものでしょ。
話題？ 会話？ なくて当たり前でしょ。シニア夫婦だって似たようなものでしょ。
会話もそうですが、兄弟姉妹とはいえ、親子とはいえ、夫婦とはいえ、親戚とはいえ、ああ、人間関係、なんだか疲れるな、そう思う時、ありませんか？
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