あんたに言われたくない

あなたのためだから

その、お顔、その、お姿、見られています

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見ているようで見ていない、見ていないようで見ている。これが世間の目というものかしら。
どこからどう見ても歳相応、普通に見える、ならば目にも止まらないし、印象にも残らない、はずなのに……。


ところが、一緒に食事をしている相手の顔に大発見、思わず目が点、思わず凝視、で、箸の動きも止まる。

あらー、えー、すごい、この人、口の周りのシワ、咀嚼するたび……まるでお婆さんみたい……。

なんか……見てはいけないものを見てしまったようで、なんか……後ろめたい、感じ? 見ないようにしよう、見なかったことにしよう、食べることに専念しよう。

ああ、でも気になる、抵抗できない、食べ物を味わうどころじゃない。私の意識は視線はどうにもこうにもアンタの口元に集中してしまうのだわ。

 

久しぶりに友と待ち合わせ。ちょっと早く来すぎたかしら。キョロキョロあたりを見渡すあなた。すると友人がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

友人もあなたに気づき笑顔で手を振る。

……で、あなたは思う、彼女、なんか、老けたな、オバサンからオバアサンになった感じ……。

そして、あなたの姿をみつけた友人はといえば、あらー、しばらく会わないうちに、彼女……すっかりオバアサンになっちゃったわ……。

で、あなたと友人は久しぶりの再会を喜び、お互いに「変わらないねー」と言い合う。

 

「ここにお名前とご住所お願いします」、

はい、はい、名前ね……(ああ、見えない、見えないっていうの、なんでこんなに小さなところに書かせるのよ、ったく)

(あら、老眼鏡が置いてあるじゃないの、ふーん、でも、イヤだわ、今さら借りるのなんて、年寄りくさいじゃない。
えーっと、えーっと次は住所ね。
えーーー、住所欄はどこよ、ここ? ここでいいの……かな? こんな時は勘に頼るしかないわね、多分ここね、いいわ、テキトーで)はぁ、疲れた。

 

眉間にシワよせ、目を細め、紙面から顔を遠く遠く離したり近づけたりピント合わせに一苦労、合ったところで文字は読めず、ペンを持つ手が遅々として進まない。

買い物に行っても、肝心かなめの値段がぼやけて見えない。近所のスーパーくらいなら、8 を 3 に間違えてもたいしたことはないけれど、値の張るものの衝動買いは要注意。


その悪戦苦闘するそのお顔、丸まったお背中、なんと、婆くさいこと。
私の目にも誰かさんの目にも、はっきりくっきり、しっかり未来永劫に焼き付いてしまいました。

えっ、うそー、言ってよ! 教えてよ! なんで言ってくれないのよ。言ってくれたら直すのに。

と、アンタはそう言うだろうけど、言えるわけないじゃん。
アンタの怒った顔だって知っているんだから。
あの迫力ある顔を一度でも見たことがある人なら、そんな愚かなことするわけないでしょ。

 

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