休日でも出かけるときは化粧をする。だから今日も化粧をした、人に会いにいくわけではないから、かなり手抜き。でも、眉だけは入念に、誰も見ちゃいないけど。
眉を描いてるときに時々思い出す話がある。
知り合いの奥さん、顔を洗うと眉がなくなる、せっかく描いた眉も汗で消える。
だから、出かけるときは「眉墨」だけは忘れないようにしている。
ある日、何十年と連れ添った夫と車で旅に出ることになった。
しばらく走ったところで、奥さん、「眉墨」を忘れたことに気がついた。
「ああっ、眉墨忘れた」奥さん声を上げる。
自分の顔にも見た目にも頓着しない夫は、妻の化粧にも関心など示したことはないのだが、この時ばかりは、
「そりゃ、大変だ、買いにいかなくちゃ」
妻が普段使っているメーカーなど知る由もないが、そんなことはこの際問題じゃない。目的地は後回し、先ずは眉墨を買わねばと文句一つ言わずコンビニを探し始めたらしい。
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あの夫が、妻の「眉墨忘れた」に、思わず出た一言「そりゃ、大変だ」これには
妻も苦笑するしかない。
「でも……そんなにひどいかな」奥さん、少し考え込んでしまった。らしい。
誰も見ちゃいないけど、夫だって妻だって今や互いの顔に関心があるとは思えないけれど、相手の顔さえまともに見なくなって久しいけれど、それでも、本来、そこに有るべきものが無いと、??? となって普段は口には出さないから分からなかったけれど、見ていないようで見ていたのね。
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