年上妻の涙

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高齢の妻の首を絞めて殺害しようとしたとして、福島県警郡山署は27日、同県郡山市神明(しんめい)町、無職深谷文幸容疑者(63)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。妻は病院に搬送された後に死亡。同署は殺人容疑で調べている。
 発表によると、深谷容疑者は27日午前3時15分頃、自宅の寝室で妻のヒデさん(88)の首を絞めて殺害しようとした疑い。「寝ている妻の首を絞めて殺した」と自ら110番した。調べに対し、「介護に疲れた」と話しているという。深谷容疑者はヒデさんと2人暮らしだった。

 

先ほど見たネットニュースですが、こんな事件を知るたびに暗い気持ちになってしまう。

63歳の夫と88歳の妻、その差25歳、母と息子といっても通る歳の開き。88歳の妻を介護する63歳の夫。うーん、これはきつそうだ。

でも、これが逆ならどうだろうか? 88歳の夫を介護する63歳の妻。多少、歳の開きは感じるものの、どこにでもありそうな話ではないか。

「25歳年上の妻」、このニュースで20年以上も前のある夫婦のことを思いだした。

その当時、私は用事のない休日は午後からジムに行っていた。体を鍛えに行くのでなくサウナとプールと風呂に入るためリラクゼーション目的、ゆるーいジム通いだった。で、夕方になりジムを出るとその足で近所の小料理屋へ向かいそこで呑んで食べて千鳥足で帰ってくるという生活を送っていた。

 

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店の女将さんは60代くらいだろうか? 板さんは40代? の初めくらい?

雇い主(女将)と雇われの板さん? それとも……母と息子……?

女将(経営者)と板さんだけの小さな店なので、客の少ない日などは女将もカウンターに座り呑みながら馴染み客と話をする。

人のことは言えないが、この女将、よく呑む。だから営業時間中でありながらも酔っぱらってしまうことが多々あり、で、酒癖があまり良くない。

ある客の少ない日、というより他に客がいなかったような? その日は(も)女将はかなり呑み、酔いが回ってくると自分のことを喋りだした。

店の板さんは夫であり、結婚するときは彼の実家の方から猛反対にあった。そのため夫に尽くすことはもちろん夫の実家への気配りもかなりしてきた。

これまでどれだけ私が気を金を遣い努力してきたことか、それなのにいまだに私のことは認めてくれない。呑むほどに酔うほどに話すほどに気が昂ってきたのかついに泣き出してしまった。

なんと応えていいものやら、こちらの酔いは醒めそうだが、まぁ、気の済むまで喋ればいい、泣けばいい。また、それを目の前で聞いている万事控えめな年の離れた寡黙な夫(板さん)の心情を察すれば、どちらにも肩入れできず困惑した。

あれから20数年、あの夫婦はちょうどネットニュースの夫婦と同じ年ごろ、年の差。女将さんは80を超えたはず、板さんの夫は60代になったのか、今頃どうしているだろうか。

 

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