リタイア父さん、田舎に家を買い、息子の怒りを買う

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昨日はたくさん仕事をした。明日もたくさん仕事をする、だから、ごり押し合意の上で今日は休みをとった。平日の休みもいいものだ、天気もいいし散歩がてら買い物へ。

いつものスーパーで近所のシニア奥さんと出会う。出会ってしまったからには仕方ない、挨拶をする、が、挨拶だけではすまない、奥さんの話は続く、食品売り場の冷気で体が冷えてくる。

歳をとったら家の手入れするだけだって大変なんだから、だから大きな家なんて要らないのよ、子供が大きくなるのはあっという間なんだから。と常日頃言っていた奥さん。

ところが、リタイアした夫はそう思っていなかったらしい。

自分の趣味のため、自分だけの? 別荘? として田舎に中古の家を買ってしまったらしい、奥さんと子供には事後報告で。

田舎の空き家は増えるばかり。だから家を買ったといっても超格安物件。購入価格は聞かなかったが、奥さん曰く、「タダみたい値段」らしい。が、しかし、この買い物が息子のモーレツな怒りを買ってしまう。

 

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都心の家ならいざ知らず、息子にしてみれば、そんなド田舎に家を買って、親が亡くなった後のことを考えろ。処分するにも困るような大きな荷物を残される俺の身にもなってみろ。と、いうことらしい。

リタイア父さん、息子の、この予期せぬ? 激しい怒りに反論もできず、ただ押し黙り、かなりショックを受けたらしい。

リタイア父さんにしてみれば「誰にも邪魔されない自分だけの空間」家? 庵? 工房? アトリエ? それを持つのが夢だったのかもしれない。 それがタダのような値段で手に入る、チャンス、で、購入、夢かなった。しかし、喜びも束の間、待っていたのは息子の自分へ対する非難と怒り。

親が遺す負動産、息子にしてみれば、悪夢の始まりだ、将来のことを考えれば怒りたくなる気持ちもわからないでもない。

そんな父と息子の思惑や諍いなど知ったこっちゃない。この厄介ネタ、中古一軒家の持ち主は、タダ同然とはいえ? 家が手放せた、長年の頭痛の種が消えた、厄介払いができた、と、今頃、心の底から喜んでいるのかもしれない。

 

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