私、婆さんになる気がしないんですよ

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と言われてその気になって…はい、それまでよ

 ♪ これも愛 あれも愛 たぶん愛 きっと愛 ♪ 『愛の水中花』

黒の網タイツ、バニー姿の松坂さん、ファンでなくてもグッときましたですね。で、作詞は五木寛之、氏も今年89歳。今じゃ、愛より、老い、老いても髪ふさふさ、氏のその毛量に驚かされるオババです(洗わない、それがいいのだろうか)。

みんなみんな老いてしまいました。

「でもね、私、婆さんになる気がしないんですよ」

うっそーーー、気も何も、もう、とっくに婆さんだよ、みんな知ってるよ、そんなこと。
エー、ウッソー、もう生きていけない……もうあれから20年経つのですね……。

って、それは嘘ですけどね、でも時々、思いますの、あの人は、今、いくつになったのだろうか? みんなジイサン、バアサンになってしまったんだろうな……。

「でもね、私、婆さんになる気がしないんですよ」

 

スマホが反応……なんじゃ? どうした? 見ればグーグルちゃんが「もうすぐお誕生日です 何か計画しますか?」ってこのオババに尋ねているではありませんか、で、ケーキまで用意されてるじゃないの。

グーグルちゃんアンタだけだよ、私の誕生日を覚えていてくれるのは。優しいのね、心遣いありがとね。……ふふふ、でもね、グーグールちゃん、おばちゃん、いくつになるか知ってるー? ほんとの歳のことだよ。 

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「私何だか死なないような気がするんですよ」と言ったのは作家の宇野千代だが、オババになったオババは、いつか死ぬ気もするけれど、婆さんにはならないような気がするんですよ。

つい最近、あるオババと話をした。この年上オババの話を聞いていて考えさせられた。このオババはまごうことなき婆さんなのに、自分じゃ、そう認識してないらしい。

この年上オババの「こないだ」「この前」は、5年、6年、10年前のことで、「えー、それは違うわ、おかしいわよ、それはこうよ」の、それこれは、もう50年近く前の話で、そんな大昔の基準や規則を持ち出されてもね ? ? ? ? ? 知りませんがな、通用しませんがな。

「〇〇ちゃんがね」と言うから、今現在の友達、出来事かと思ったら、30年とか40年前の今は全く付き合いのない、昔々若かりし頃の友人だったりでね。過去を現在進行形みたいに話すわけよ。

本人にその自覚がないのだね、で、ン十年前の話を昨日ことのように、鮮明によく覚えているわけね、でも、昨日のことは覚えていない。

うーん、それって、私のことみたいじゃないか、いいや、そんなことはない。いいや、そんなことはある、きっと。

自覚がない……自分で言って耳が痛い。婆さん、それは私のあなたの未来形でなく現在形なのだよ、その渦中にいるとわからないものなのか? わかっていても納得できない、したくない、そんな感じかしら。

 

春うらら、でも1日中家の中にいた昨日、夕方近くにもなるとなぜか気持ちが沈んできた。なので今日は冷たい風の中、散歩に出た。するとお金がお金がー、落ちていたー、で、拾ったー、11円、で、ネコババした。

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