今日もオババは駅に向かって歩きました仕事に行くために。足、痛いからゆっくりね、ヨロヨロとババ臭さ満載だわね。でも、ひと気のない通りだからいいのよ、誰も見てやしないもの。
すると、頭、真っ白、本物バアサンが杖ついてヨロヨロとこちらに向かって歩いてくるではないですか。(あらー、あの婆さん、歩くの大変そうだわ)
で、すれ違う時、ちょっと会釈しましたら、その白髪オババが「あなた、歩くの速いわね」と、若い私に言うわけです。
自称オババの私は「えー、速くないですよ、今、足が痛くて速く歩けないんです」と応えますと、
「えー、そんなふうには見えないわ、歩くの速くて」と白髪オババ。
で、ここから白髪オババの足の話が始まりましてね、なんとこの真っ白髪さん、手術して両膝とも人工関節なのだそうです。
以前から膝が悪く歩けなくなってしまい手術に踏み切ったそうですが、でも、1メートル歩くのに1分以上かかってるような歩きですよ、杖つきながら。
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白髪オババはヨロヨロと頼りない足取りではありますが、しかし口は達者なのだった、よく喋るんだこれが、話が切れないんだ、自称オババは完全聞き役となる。
それでも母親も膝が悪かったオババとしては後学のためにも、この人生の先輩の足の話、手術の話は非常に興味があったのですが、なんたってこの本物オババと違い、若いあたしゃー仕事に行かねばならぬ。
自称オババは心を鬼にしてこの白髪オババに別れを告げましたが、初めて会った見ず知らずのババさんとこうして立ち話なんかしちゃうってさ、それができちゃうって、どうよ。
自称オババが「足が痛くて」と言ったものだから、真っ白髪さんはこの人なら解ってくれる、同病相憐れみで話ができる、と見込まれちゃったのかしらね。
しかしね、昨日の今日でまたまた色気も洒落っ気もない話だわね。で、当たり前に歩けてた、それが当たり前じゃなくなるのよ……これ、昨日も書いたかしら?
経験しないとわからないのよね、当たり前の有難みが。それが歳とるってことよね、これがわかってきた自称オババは本物オババに近づいてきたってことでもあるのよね……泣けちゃうわ。
近づいたーーーーー? 違うだろーーーーー
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