覚えられない・思いだせない…人の老い見て自分の老いを知る

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ー寄る年波の不都合は笑い飛ばせばいいのさー

年寄りは、あれ、それ、これで会話を推し進め……。

「あれ」よ、あれ。「あれ」と聞いた相方も慣れたもの、ああ、あれね、〇〇でしょ。たとえ「あれ」が間違っていたって知ったこっちゃない、お互い笑って、「あれ」は、あれで会話は進んでいく。

仕事を辞め、ボラ活から退いたらパタリと人付き合いがなくなった。当然、会話する機会も限りなくゼロとなった。

会話しないのだから、あれもそれもこれもありゃしない。仕事で使うわけでなし、思いだせなくたって、どうってことない、問題ない。

そのうち、「あれ」を思いだそうとしたことさえ忘れてる。

ところが最近、老姉と話すようになったら、そうはいかない、あれそれこれがなければ会話が成り立たないということに気が付いた。

そこで、冒頭の、あれよ、あれ、あの人、と、あれそれこれが会話の中に頻繁に入ってくるようになった。

老姉妹、二人してそうなのだから話が進まない、まどろっこしいことこの上ない。

ほら、あの人、あの女優さん、名前は? えーと、イタリアの、あの映画に出てた、ほら、えーと、映画の題名は、えーと、ほら、あの人も出てた……。

こんな感じ、まるで連想ゲームだ。

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で、姉と話していてもう一つ気が付いた。思いだせないもそうだが、覚える能力が著しく低下したみたいだ。

……みたいでなく、そうなのだ。

仕事もしてない、会話することも無かった、だからそんなことにも気が付かなかった、ひとり暮らしは要注意だ。

年寄りは新しいことを覚えられない、とは言いたくない。まぁ、覚えるのに苦労する、ですか。

で、覚えたと思ったら、忘れてる。これが、もし、仕事だったら、と考えると、うーん、唸ってしまう。

でもさ、自分のこの脳みそもかなり怪しく心配だけれど、老姉の忘却力も半端じゃありませんよ。

年寄りの御多分に漏れず、最近の話は覚えていないことが多い、その代わり、昔のことはよーく覚えております。

その辺の話になると、この老姉妹、あれそれこれの出番もなく、次から次へと会話が実にスムーズに運びます。

 

昔、私は人の名前、覚えるのが得意でした。今は何度聞いても覚えない、覚えられない、そんな自分が信じられない。

それは本を読んでいてもそうなのだった。人名だけでなく、ちょっとややこしいストーリーともなると、よく理解できない、そんなことがあるようになった。

姉の老い見て、自分の老いを知り、同老い相憐れみ、そんな今日この頃。

そして、人の老いには敏感だけれど、自分の老いには鈍く甘いのである。

これだけ生きて来たんだもの、それくらい、どうってことない、当たり前? そんなこといちいち気にしてたら年寄りなんかやってられない、そうなの?

はぁ~。

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