渡る世間に、優しいオジチャン

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ジイチャンに助けられ癒され…

昼前、姉が私の部屋のドアをノックする。

何ですか? どうしました? 

「どこかのオジサンが、ウチの周りの草を刈ってくれているのよ。どうすればいい?」

えー、誰? そんな有難いことをしてくれる奇特な人は?

急いで下に行き、窓から様子をうかがうと、あらー、ウチの玄関先の草まで刈ってくれているじゃないの。

こうしちゃおれん、どこの誰かはわからんが、とりあえずそのオジサンにお礼を言わにゃならん。

私……ゲッ、ひどい格好だ。しかーし、そんなことかまっちゃいられん。サンダル突っかけオジサンの元へ。

あー、やっぱり、そうだと思った。帽子をかぶっていたから分からなかったけど、あの優しいオジチャンだ。

車の中から、クラクション鳴らし手を振ってくれるあのオジチャンですよ。

我が家の周りの草は勿論のこと、かなり広範囲の草刈りをしてくれています。

何たってかんたって我が家の周りは空き地が多く、スゴイことになっているのです。そこから傍若無人に我が家まで侵食し、根を張りめぐらせ成長し続ける草木にはほとほと手を焼き困り果てている老姉妹であります。

人に頼むにも、どんな人が来るのかわからないし、変な人が来たら怖い、イヤだ、どうだらこうだら、怖がりの姉が言うのです。

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ああ、それなのに、あのオジチャンは、この老姉妹の気持ちを全て読み取ったかのごとく、もう、キレイサッパリ、スッキリしてくださいました。

はぁ~、涼し気~、ああ、ありがたい、なんとお礼を言ったら、したらいいものか? 

どうしよう? どうする、どうする、この感謝の気持ちをなんらかの形で表すには? 何? 何がいい?

お金は、失礼よね。うーん、でも、なーんにも、ないわね……あっ、缶チューと缶ビーは? まだ開けてない箱詰め24本入りがあるわよ。

24本は重いでしょ、相手が遠慮するでしょ、それに呑むかどうかもわからないし。でも若い人もいるわよ、あそこの家は、それにまだ暑いし、いいんじゃない。

そうね、だったら、軽く、缶ビー3本、缶チュー3本、合計6本でどう? よし、それで決まり。

しばらくして、ピンポーン。オジチャンだ。オジチャン、缶ビーのお礼に。

お礼を言うのはこちらの方だ、姉と2人、それはそれは何度もお礼を、マジ、助かりました。

で、オジチャンが言うのです。

「他に用事ない? ウチ(オジチャンの家)知ってるでしょ? 困ったことあったら、いつでも来て」

もうさ、姉と2人、大感激の大感動。

でね、缶ビー、なんだけど、正確に言うと、似非ビーなのよ。うーん、後になって、ちょっと考えちゃったわ。うーん、今も考えてるわよ、うーんとね。

しかし、本当に優しい人ですね、あのオジチャンは。眉毛も睫毛も真っ白、それなりの年寄りジイチャンですよ。

それに比べ、この歳でその歳でヨロヨロヨレヨレ、情けない老姉妹です。

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