夕方のニュースで、「74歳の訃報」
こんな時、70代後半の姉は貝のように口を閉ざしてしまう。姉の気持ちを察する妹は、決して話題にしない、ひと言も。
「もう、何があっても、おかしくない歳なのよ」隣の奥さんの言葉を思い出す。
しかしね、そんな歳とは言え、次から次へと、寂しいことです。そして身につまされ、そんな歳でもあるのです。
昨日は、近所の Y さんのことを書いたけど、その70代の Y さんが言う。
─── あちこち痛くて、湿布も7枚貼っているわ。
─── でも、湿布って貼り過ぎると、良くないって言うわよね。
─── そうなのよ、1日2枚でしょ。知っているけど、もういいのよ。
───(でも、良くないって、1日、2日のことならまだしも……)
でも、私は、そんなことは言わない、本人だって重々わかっている。でもね、年寄りはこれから先のことより、今、自分を苦しめるこの痛み、この怠さを軽くしたいのよ。
● 湿布の張り過ぎには注意しましょう。貼り過ぎが長期間続くと……それはネット検索してね。
● 何枚も、貼るくらいなら、鎮痛剤を服用したほうがいい。そう薬剤師さんは言ってました。
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ということで我が家の老姉妹の「もう、いいのよ」はと言えば、
脚の悪い妹は、痛みを堪えながら、料理を作る。出来上がると脚を引きずりながらキッチンとリビングを何度も行ったり来たりし、料理をテーブルに並べる。
老姉 ─── あらー、すごいわね、こんなに、たくさん色々と(料理)。料理屋さんみたい、ちょっと贅沢じゃない。
老妹 ─── もう、いいのよ、食べられるうちに食べれば、もうすぐ〇ぬんだから。
「もうすぐ〇ぬんだから」冗談じゃ済まなくなってきましたですね。
「料理屋さんみたいぃぃぃいいい」かなり誇大表現ですわね。
それもこれもあれも今は、みーんな昔。そんなこんなで、この老妹、最近は料理も超ーーー手抜き。毎晩、何品もの精進料理作り、やってられますか、って言うの。
食事前・中・後と、会話も、あまり、ありません。黙々と食べ、黙々と食べ終え、「ごちそうさま」も、ありません。
もう、いいのよ。
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