……わずか3年で帰ってきた、病と子どもを抱えて。さあ、大変、老夫婦の穏やかな日々は一変し、目の回るような忙しさに。
「もし、あの娘が帰ってくるようなことがあったら、その時は私が出て行くわ」以前、奥さんはそう言っていた。
それほど娘とは何もかもが噛み合わなかったらしい。ところがギッチョンチョン、そんなことは言ってられない状況に。
私は、その娘の婿さんと話したことあるのよ、1回だけだけど。人柄の良さような好男子でしたがね。何があったのでしょうか? 私などには解るはずもありませんが……。
この娘さんもついてないといえばついてない。この時代に、ある意味、人が羨むような結婚でもあったはずなのですが……。
わからない、どうしてこんなことになってしまったのか? うーん、まぁ、私が頭を悩ませても、アホか、自分の心配しろ、ではありますがね。
でも、思うのは、老若男女問わず、先のことはわからない、これだけは言えますわな。
私だって、まさかこの歳で歩行困難になるとは、想像だに、でしたわよ。
でも、娘さんはまだ若い。我儘娘と聞いているが、今しばらくは子供のために頑張ってもらいたい。このオバサンは陰ながら応援していますよ。
幸運にも実の老親は父母ともにまだ元気だ。こうなれば爺ちゃんには1日でも長生きしてもらって(年金)、婆ちゃんには孫のお守をお願いし、早く仕事に復帰することだ。
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はい、大きなお世話でありました。しかしね、本当にわからない、この老・両親も予想外のことばかりの連続で、この1年は相当お疲れになったことでしょう。
でも、どうなんでしょ。見方を変えれば、若い人が家にいる、これはある意味、頼もしい、そうも考えられます、若者にもよりますが。
こっちとら、2人暮らしと言っても非力なヨレヨレ老人姉妹でしょ。で、もう車もないでしょ、2人とも歩行不自由でしょ、もう遠くまで行けないのよ。
もし、遠くの病院で入院、手術とかになったら……どうすりゃいいのよ?
弱りました、困りました。最近はそんなことばかり考えてしまいます。
相変わらず姉は筋トレにも骨トレにも全く興味を示さず、散歩にも行きません。相変わらず1日テレビの前に座っています。
たまには外に出たいとか思わないのでしょうか? それが不思議でなりません。
私は脚が痛くても外に出たくて出たくて、ひとりもいいけど、誰かと、心ゆくまでお喋りもしたいわね。
アンタの話もじっくり聞くからワタシの話も聞いて欲しいのよ。
そうね、こんな時は、私の優しい娘に会いたいわ ──── いないけど。
そうね、息子でもいいわ、可愛くて頼もしい息子、翔平君みたいな。
勝手に言ってろ! はい、はい、勝手に言わせてもらいます。
で、ため息、はぁ~。
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