何を思ったのか、姉は、先月下旬、突然「散歩に行ってくる」と、家をでていき40分ほどで戻ってきた。
でも、あれっきり、それっきり、これっきり。また以前のように家に引きこもってしまった。
一体、あの日は何だったのだろうか?
久しぶりに歩いてみて、やはり、普通の道路は、もう無理、歩けない、歩きたくないと思ったのだろうか?
今、姉のフレイルの度合いは、進行度は、脚力は、いかがなものか?
姉は何も言わないし、私も訊かないからわからない。
しかし、最近の姉を見ていると、何だか、またちょっと加齢度が上がり、反応も鈍くなったような気がする。
もし、そんなことを姉に言おうものなら、即座に、
「オマエに言われたくない」
と、「オマエ」が返ってきますわよ、ホホホ。
で、こういう時は言葉に力が入ってますのよ。
「やんのか」態勢ですわよ。まぁ、そこまでじゃ、どうでしょ。
でもね、姉だって姉だって、昔は違ったのよ。
姉なりにそれなりに、花も色も香りも、そんな時代もあったのよ。
うーん、でも、なんでこうなっちゃったかな?
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この前、姉と私を買い物に連れて行ったくれた人や、隣の奥さんには、会えば、必ず
「お姉さん、どう、お元気」と訊かれ、
「元気ですよ。食欲ありますから」と私は答えます。
すると「食欲あれば大丈夫ね」と言われる。
そして今夜。
ちょっと「おかず」が少なかったかな? で、夕飯終わってから、姉に、
「足りた?」と訊くと、
「もう、充分、これくらいが丁度いいわ。いつも多いのよ、だから最後は味がわからなくなって、無理やり食べてる感じだもん」
「わっかりました。これからはおかずを少し減らしましょう」
で、思いだしました。ずーと前に読んだ五木寛之の本。歳をとったら腹八分どころでなく、もっとずーと少なくていいと書かれてましてね。
詳しい数字は忘れたけれど、70代は腹三分だったかな、まぁ、それくらいね。
で、食が細くなったという姉に、そんなんでどうでしょ? すると、なななんと、
「ええ、やだ、腹十分食べたい。他に愉しみないんだから、まだ生きてるんだから」
うーん、そうですよね。他にね……。
しみじみね……。
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