我が老いを、また一つ、発見する
その日、私は、大きな鏡の前で、人と話をしておりました。その時、私はしっかり老眼鏡をかけておりました。
見る気はなくても鏡に映る見慣れた我が顔。
すると、突然、あらー、ウッソー、あれー、イヤだ、ショックという想定外の衝撃的事実を、鏡の中の自分の顔に発見したのでございます。
それは見たこともない額のシワ。
もちろん、気が付いてはおりましたわよ、何年か前に、うっすらとシワが表面化してきたことは。
かってはツッヤツヤピッカピカの自慢の額にそれを発見したときは、それはそれはショックでございました。
が、今回の驚きは、えーっ、何これ、この本数は? いくらなんでも多すぎじゃね。のシワの多さにメガトン級ショックを受けたのでございます。
今さら、鏡が教えてくれたこと
私って人と話すとき、あーら、びっくり、眉毛がよく動く、上がる。だから、すまし顔で鏡に向かっているときは気が付かなかったんだわ。
で、眉毛が上がると、額にシワ出没、ということを鏡に教えていただきましたの。
いやー、知らなんだ。顔癖、おそるべし。
で、この歳になって、このシワの本数に気が付いていなかったのは、当人、私だけという間抜けな事実。
常日頃、「鏡を信じちゃいけません」なんて偉そうなことを言っておりましたが、今回ばかりは、鏡に逆襲された気分です。
鏡をあなどっちゃいけません、鏡は予期せぬときに真実を映しだす、それも嬉しくない想定外の真実を、これって写真にも言えるかしら。
表情によって自分の顔に表れる、シワや歪み。これは鏡に向かっていても、化粧している時は気が付かないものですわ。表情を大きく動かしながら化粧する人はいないでしょうから。
いい歳をしてシワ一つないというのも不自然でしょうが、許容範囲というものがありますわね。無駄にシワを表面化させないためには、無表情を貫く。という解決法がありますが、現実的ではありませんわね。
おでこのシワがイヤなら前髪を下げる。一番簡単な解決法かしら? が、前髪下げても老顔に似合う髪型がなくなっていく、これが老化の現実。シワの数は増えても、髪の本数は減りコシもツヤも失せ色も抜ける。
服選びも髪型もこうしてああしてオバハンの選択肢は……ああ、どこにある?
シワなんか笑い飛ばせばいいのだわよ。
歳とったって、シワがあったって、表情が豊かな人は、それだけで魅力的ですわよ。
顔がきれいなことと、顔に魅力があるということは違うんだわよ。
それもこれもオバハンが言ったところで虚しいだけ、説得力はありませんわね。
でも、「私たち、もう、この歳になったら、鏡なんか見ないわよね。
今更、シワも魅力もきれいもないわよねー」
そんなアンタとは一緒にされたくありませんわ。
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老後の趣味は? 我が老顔発見の旅へ
けれど、自分の顔を客観的に見つめ知るというのもなかなかオツ? なものですわよ。老後の密やかな愉しみ、怖いもの見たさ、我が老い再度発見の旅というのはいかがでしょうか。
鏡にむかって笑ったり怒ったり悲しんだりと表情をオーバーに変え、表情ジワの変化を観察しますのよ。ついでに自分の顔の癖もね。
また、鏡を前に食事をし、咀嚼するとき、どんな顔に表情に変わるのか、シワはどこにどう表れるのか注意深く観察してください。
老眼の方は、必ず老眼鏡をかけて客観的に第三者の目となって、少々意地悪く、しっかり観察、頭に叩き込み自己批評眼を養いましょう。頭に自信のない方は観察日記をつけましょう。
で、最後に、老婆心ながら一言、決して人には見られぬよう、自己責任でお願いします。